なべて余はこともなし

昨夜、私は4キロ半のマシュマロを食べる夢を見たのだが、目を覚ましたら、枕がなかった。(トミー・クーパー)

わが人生の栄光を語る

本番前の強化試合はことごとく無得点だった。相変わらず決定力不足が懸念された。だが、本田圭佑が決勝ゴールを決めた。ワールドカップ南アフリカ大会。岡田ジャパンがカメルーンとの初戦を1対0で制した。 本田って、センターフォワードをやったことがなか…

77歳、乙女の恋

手にはテレビのリモコンが握られている。 眼鏡はかけたままだ。 横たわった体は、反り返っている。 すわ、死んだのか!? 「むにゃむにゃ、おやお前、いたのかい?2時間ドラマを見てたんだけど、寝ちまったようだよ」 きわめて不自然な居眠りの体勢を目撃す…

終りに・・・いや、始めにイチローありき

韓国メディアは戦争という言葉を使ったと聞く。確かに、それは野球という名の戦争だった。かくも壮絶な戦いは滅多にあるものではない。9回、不調の藤川に代わって抑えに回ったダルビッシュが重圧に押し潰された。負けたと思った。延長戦は後攻めの方が心理…

【映画評】世界のクロサワ映画を無理して生きる

小林多喜二の「蟹工船」が再び脚光を集めている時代だから驚くには当たらないのかもしれない。NHK・BSで放送された没後10年黒澤明特集の「あなたが選んだ黒澤アンコール」(2009年初旬)で、「赤ひげ」が2位に選ばれた。監督自身、当時の集大成…

【映画評】クリント・イーストウッドは無敵である。

向かうところ敵なし。その老境を知らない活躍ぶりに目を瞠る。「硫黄島」二部作は大ヒットを記録し、評判もいい。やはりクリント・イーストウッドは天下無敵なのか。 かつて、痛快娯楽活劇という言葉があった。主人公は正義の味方。激しい戦いの末に、善が栄…

アイスは1個だけにしてくれ!

煙草を逆さまに咥えて火をつける。昔は絶対そんなことはしなかった。40の声を聞いたあたりだったか。多分、そのへんが兆候だったのだろう。以来、何度も繰り返す。今や1箱400円以上だ。経済的な痛手は大きい。 次に驚いたのは、オリンピックだった。シ…

拳さんの拳

九月の中旬頃までセミは鳴いていたはずだ。夕されば、秋の虫が合唱に加わっていた。気がついた時にはセミの声はなかった。涼しい季節の訪れに息をついているうちに、その存在を忘れてしまう。人間とは迂闊なものだ。 数日前、テレビのCMを見て、随分痩せた…

けんちゃたろ、大いに吠える

(スチャラカ スチャラカ♪ と出囃子が流れて、けんちゃたろが登場する。) ども~ ちゃたろで~ちゅ ども~ けんちゃで~ちゅ。 ふたり あわせて ちゃたろ で~ちゅ コラァ~!僕の名前が入ってないやんか! りゃくしまちた! おかしな略し方せんといて、ほ…

【映画評】男と女にずばぬけて明るいひまわりが咲いている

もう嫌味なくらい気障です。でも、シビレます。メロメロになります。その喜びも苦しさもひっくるめて、ワタシも恋をしたい!と思うこと、請け合いです。ダダダ・・・ダバダバダ♪~です。フランシス・レイのボサノバ調スキャットを耳にしたことのない人はいな…

私は「ゴッドファーザー」に出たくない!

お酒の失敗談はありますか? ブログのネタとして、こんなお題を頂きました。そりゃあもう掃いて捨てるほどあります。お酒、大好きですから。ただ、最近はあまり飲み歩かないようにしています。はしご酒なんかすると、ろくなこと起こりません。デジカメは二台…

【映画評】北野武、座頭市、勝新太郎

開巻、路傍に腰を下ろした主人公の姿にタイトルが重なる。大きな青い題字で「座頭市」。だがそこに映っているのは、紛れもなくビートたけしだった。 座頭市(2003年) 監督・脚本:北野武 出演:ビートたけし、浅野忠信、夏川結衣、橘大五郎、大家由祐子…

山井に代えて、ピッチャー岩瀬

8回裏の攻撃が終わった。1対0で中日のリード。球場は割れんばかりの山井コールに包まれる。完全試合まで、あとアウト3つ。達成すればシリーズ初の快挙だ。しかし、監督は腰を上げた。どれほど好投していても、たった一球で試合の流れは大きく変わる。現…

古田敦也とのしばしのお別れ

「18年間ありがとう!」 球場の正面に、そんな文字を記した大きな垂れ幕が掛かっていた。やはり、本当に辞めるのか。半信半疑の思いはまだ晴れていない。古田敦也メモリアルPart2と銘打たれた6日の中日戦。久しぶりに神宮球場に行った。 18年間ありが…

仁義なき戦い 歯医者死闘篇

■ 第一章 ■ とうとう、市販薬も効かなくなった。ゆっくりと寄せては返す波のようだった痛みが、今では間断なく襲ってくる。前日は七転八倒しながら仕事をした。もはや限界だ。カップ焼きソバを食べようとしても、口を開けただけで激痛が走る。このままでは、…

37年目の追悼・・・否、力石降臨

「へへ、参ったぜ。あそこでアッパーで来るとはな」。男は潔く敗北を認めて手を差し出した。だが、快く握手に応じようとした勝者はその瞬間マットに倒れた。そして、そのまま帰らぬ人となった。 先日、「北斗の拳」のラオウとかいう人(?)の葬式があったら…

Dice-K Matsuzakaと言うおのこ

午前3時。眠い目をこすりながら、テレビのスイッチを入れる。ミズーリ州カンザスシティ、カウフマン・スタジアムが映し出される。そのマウンドに、いつもと変わらぬ表情の松坂大輔が立っている。 異国の猛者どもに舐められないようにとの配慮からか、少し髭…

父のザ・エンド

冬の一日、讃岐うどんをすすりながら、老父が口を開いた。「この娘は黒木ヒロミと言ったかね?」。老母が答える。「違います。川島ミユキです」 テレビ画面には、犬と戯れる「川島なお美」の姿が映っている。ご相伴に預かっていた私は鼻からうどんを噴き出す…

美しき父と子の絆

■ 第一章 ■ 親父が、走っていた。 最近、1万4千円でルームランナー(自走式)を購入したのだ。 74歳、糖尿病を患っている。 運動療法は、治療の基本だ。 患者としての真摯な姿勢と取り組みには、頭が下がる。 文字通り、非の打ち所がないと言っていい。 …

たけしも五郎もフミヤも、松山千春に敗れた夜

日曜日、地元の悪友とカキ鍋を突つきながら飲む。40面下げた男が計4人。相変わらず、色気のいの字もない荒涼とした飲み会だ。 毎度のことだ。別に不満はない。適当に盛り上がり、さて2軒目はどうしようかという話になる。例によって、若干1名が「キャバ…

エースは必ず復讐する

札幌ドーム。エースはゆったりと、力を抜いて立ち上がった。 中4日の登板は6年振りだ。前の試合では、西武の松坂大輔と最後まで投げ合った。どちらが先に音を上げるか、ひたすら精神力の強さのみが試されるかのような投手戦。男は相手以上の好投を見せる。…

エースは帽子のひさしを気にしていた

早稲田実業のエースがこの日投じた118球目は144キロの外角直球だった。駒苫の強打者にして最大のライバル投手のバットは空を切った。 決勝再試合の末、早実が悲願の初優勝。駒大苫小牧の3連覇はならなかった。 前日、駒苫の田中将大投手と繰り広げた…

かたつむりの手紙

どこかのコラムかブログで、こんな記事を読んだことがある。 電車内で、50代とおぼしき男女の声が聞こえてきた。「メールは便利よ」。電子メールの話だった。思わず、耳をそばだてる。 「メールができないなんて、時代遅れよ」 「電話で済ませばいいじゃな…

WBC、王JAPAN世界一に!

日本時間3月21日11:00、カリフォルニア州サンディエゴ、ペトコ・パーク。劇的な、あまりにも劇的なWBC・決勝戦が始まった。 キューバの先発投手の自滅で日本が4点を先制、試合の主導権を握る。松坂もその裏、先頭打者に本塁打を許す。球も荒れ気…

聖バレンタインに呪われた彼の話

何だ、このシ~ンとした反応は。あまりにも痛ましくて、お悔やみの言葉も見つからないということか。最近は、このヘっぽこブログにも毎日70から100ぐらいのアクセスがあるというのに。 つい調子に乗って11、2センチなんて書いてしまったのがいけなか…

日本語ブームに寄せて

日本語ブームだという。テレビでも、日本語を扱ったクイズ番組が人気を集めている。 結構な話だ。ホモ・ロクエンスたる者、せめて自国語ぐらいはしっかりと使いこなしたい。とはいえ、燈台下暗し。身近にあるものほど、かえってぼんやりしていたりする。 例…

さらば夏の光よ

こんなはずはない。どう考えてもおかしい。あの時は酔っ払ってやったから入力ミスもあったかもしれない。きっとそうだ。そうに決まっている。というわけで体調を万全に整え、しらふの頭でもういちど挑戦してみたのが、「まりあ課長のオフタイム」のまりあ様…

ブログでラブレター♪

ワールドグランプリが閉幕しました。決勝ラウンドの最終日、日本は中国にストレート負けし、1勝4敗で五位に終わりました。 女子バレーもいまや身長190センチが珍しくない世界です。その体格差という圧倒的なまでの不利を前にして、日本は粘りとスピード…

古田敦也は、男の中の男である。

プロ野球はじめスポーツを精神論で語る向きは多い。例えば、一進一退の攻防を繰り広げている試合の結果を予想して、「最後はより強く勝ちたいと思った方に、精神力で勝った方に勝利の女神は微笑むでしょう」というような評論家の物言い。こういう言い草に首…

神宮観戦記 謎のおっさん、現る

試合前の練習を見ながら景気づけに一杯やるのが好きだからもう少し早く来たかったなと思いながら当日券売り場の列に並んでいると、隣に背の低い、人の良さそうなおっさんが現れて、「チケットを買ってくれない?」 聞くと、奥さんの都合が悪くなったとかで、…

コロちゃんのスワンソング

もうだいぶ前の話だが、猫の最期を見取ったことがある。 十年以上生きた猫だから、老衰だったのだろう。いま振り返ると、病気だったのかとも思わないでもないが、もはや確かめる術はない。 最後の三、四日だっただろうか、何も受けつけなかった。水を飲もう…